お天気歳時記　春夏秋冬

（59）アメダスで見る寒冷前線の通過（平成20年2月関東平野）

平成２０年２月２３日午後、津軽海峡付近に中心を持つ低気圧から南に伸びた寒冷前線が関東平野を通過していきました。
この低気圧は、いわゆる爆弾低気圧と呼ばれるもので２３日０３時には日本海中部にあって１００２ｈPaでしたが、２４日０３時には９７６ｈPaまで
発達しました。
このため、東北地方から関東地方にかけて強い風がふき被害が発生しました。
２４日の各地における最大瞬間風速は，相川で05時14分に北北西29.0m/秒，熊谷で07時20分に西北西26.8m/秒
河口湖で08時24分に北北西29.6m/秒、宇都宮で09時27分に北北西29.2m/秒（2月史上3位）、白河で09時59分に北西34.0m/秒（2月史上5位）
東京で10時09分に西北西26.4m/秒を記録しました。

それでは、２３日１５時前後を中心に関東地方を通過していった寒冷前線をアメダスデータで確認していきましょう。
寒冷前線通過時の特徴として、風向風速の急変、突風、短時間強雨、気温の急変などが挙げられます。

�T.地上天気図

まずは、地上天気図で寒冷前線通過の状況を確認します。

平成２０年２月２３日１２時 寒冷前線は日本列島を縦断しています。	平成２０年２月２３日１５時 寒冷前線は本州の東岸に沿って延びています。	平成２０年２月２３日１８時 前線は海上に抜けました。

�U.アメダス（風）

２月２３日１４時から１７時までのアメダス風データです。
シアラインを赤の一点鎖線で書き入れてみました。　シアラインの南側では西〜南西風が卓越し、シアラインの北側では北西風が卓越しています。

平成２０年２月２３日１４時	平成２０年２月２３日１５時
平成２０年２月２３日１６時	平成２０年２月２３日１７時

�V.アメダス（気温）

２月２３日１４時から１７時までのアメダス気温データです。
シアラインを赤の一点鎖線で書き入れてみました。　シアラインの南側では１０℃以上の暖かい空気に覆われていますが、シアラインの北側では１０℃未満の
冷たい空気に覆われています。関東平野の内陸部では氷点下のところも多く見られます。
寒冷前線の南下に伴い、強い風に乗って強い寒気が流入している様子が見て取れます。

平成２０年２月２３日１４時	平成２０年２月２３日１５時
平成２０年２月２３日１６時	平成２０年２月２３日１７時

�W.ウィンドプロファイラ

ウィンドプロファイラの説明は気象庁のホームページをご覧ください。
下の図は勝浦（千葉県）における２月２３日１４時から２０時までの時間・高度断面図です。

１６時を境に１５００ｍ位から下層の風向が南寄りから明らかに北より変化していることがわかります。